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揖斐川の横山ダム

 木曽三川についての言い伝えに「四刻・八刻・十二刻」というのがある。揖斐川は急流であるので、上流で大雨が降ると四刻(約8時間)で下流が洪水になるとの意味。長良川では16時間、木曽川では24時間かかるということである。(ちなみに欧州のドナウ川では、1週間以上かかる)
 揖斐川は、福井県との県境「冠山」(標高1275m)を源流とし、濃尾平野の西側を流れて伊勢湾に注ぐ。延長121km、流域面積1840平方kmの一級河川である。大垣市を中心とする下流域には、文化・産業面で重要な役割を果たすとともに、たびたび洪水被害をもたらしてきた。

横山ダムマップ

 横山ダムは、治水や水資源に対する地域要請により建設された。昭和26年から調査が始められ、昭和34年に着工、昭和39年に完成した。堤高約80m、堤頂長220mで型式は「中空重力式コンクリートダム」である。発電能力は、最大出力7万kwである。(下左の写真が発電所)
 “中空”というのは大変珍しい形式で、全国3000あるダムの中で13か所しかないという。昭和30年代には貴重であったコンクリートを節約するため、ダム内部に空洞をつくることでコンクリート量を減らす設計になっているのである。(下右の写真がダム中空の内部)
 平成20年、横山ダムの約10km上流に「徳山ダム」が完成した。高さも長さや発電量も2倍近い大型のロックフィルダムである。両ダムは連携しながら、地域の人々を洪水の危険から守っている。

横山ダムG

三遠南信自動車道「イタチ川大橋」(再掲)

 天竜峡大橋は一足早く、11月10日に開通した。明後日17日には、天竜峡ICから竜江ICまでが開通する。この区間には、3年前の2016年11月21日に掲載した「イタチ川大橋」も含まれている。ユニークな橋ですので、ここに再掲してご紹介します。

 長野県飯田市で行なわれている 「イタチ川大橋」 の工事現場を見学させていただいた。三遠南信自動車道というのは、愛知県三河、静岡県浜松 (遠州) と長野県飯田 (南信州) を結ぶことからの命名である。現在、南からは鳳来峡ICまで、北からは天竜峡ICまで開通しており、それぞれ、その先が工事中となっている。
 飯田では、天竜川を跨ぐ橋と、もう少し山へ入った 「イタチ川」 に架かる橋を整備中である。「イタチ川大橋」 は、一本の橋脚の両側へ片持ち梁を伸ばす 「Tラーメン橋」 という構造である。現在下部工は完成し、梁の左右バランスを取りながら延伸しているところであった。橋脚の高さは約75m、箱桁の長さは206mである。コンクリートの総量は、約2500㎥にもおよぶという。この形式の橋としては全国2番目の長さであると、国道事務所監督官の方から説明していただいた。

イタチ橋A

 作業用のエレベーターに載せていただいて、橋の上に登ることができた。工事用の資材が整然と置かれており、横断幕には安全を喚起するため 「指差呼称で危険ゼロ」 と記してある。高所での作業による転落などの危険も多く、安全に対する厳しい姿勢が伝わってくる。
 橋の上からの景色が素晴らしい。手前の山から天竜川沿いの町や田園を越えて、ピラミッド型の風越山 (飯田の人たちは親しみを込めて 「権現山」 と呼ぶ) や中央アルプスの峰々が見える。道路が完成すれば、春の新緑や秋の紅葉が楽しめるドライブコースになるものと思われる。

イタチ橋マップ


鎌倉・鶴岡八幡宮の大銀杏

 今日は令和1年11月11日、何と1が5つも並んでいる。改元の年しか巡り会えない珍しい事象である。さらに10年後には、令和11年11月11日という日がやってくる。このブログは現在530回の発信を数えるが、10年後まで書き続けて1000回を超えたいものと願っている。
 人の命は長くても100年ほどであるが、長寿の樹木イチョウは1000年以上も生き続けるという。鎌倉・鶴岡八幡宮の大石段の脇に1000年を超えると言われる大イチョウがあった。3代将軍源実朝を暗殺(1219)した公暁が隠れていたとも言われる有名なイチョウである。

鎌倉イチョウG

 ところが平成22年(2010)3月10日未明、強風に煽られて、この老樹は根元から倒伏してしまった。鶴岡八幡宮では再生・再起を願って、根元の幹は10mほど西側に移植し(上右の写真)、残された根株(下2枚の写真)も囲いをして保全をすることとした。
 約10年を経た今年秋に訪れてみると、移植した幹の根元から萌芽(ヤゴ)が何本も出ていた。元の位置に残された根株の方からも1本の若木が芽生え、すでに10mほどにも伸びている。イチョウは、進化の過程から見ると原始的な種で、それだけに強靭な生命力をもっているようだ。

鎌倉イチョウのマップ


季節通信52柿すだれ

根尾谷断層

 明治24年(1891)10月28日午前6時37分、天地をひっくり返すような激震が起きた。根尾谷を震源とする「濃尾地震」である。推定マグニチュード8.0、震度7は、日本の内陸部で起きた最大級の直下型地震である。14万戸の家屋が倒壊し、7000人以上の人が亡くなった。
 地震を引き起こした「根尾谷断層系」は、延長約80kmという長い断層である。このうち根尾水島地区では上下に6m、長さが1000mにも及ぶ「断層崖」が出現した。このような大規模な断層崖は世界的にも珍しく、地震研究のきっかけにもなり、国の特別天然記念物にもなっている。

根尾谷断層マップ

 樽見鉄道の水島駅と高尾駅の間の車窓から、「地震断層観察館」の建物が見える。正方形で三角の屋根と、円筒形の2棟を組み合わせた瀟洒な建物である。円形の建物には、地震資料館と地震体験館があり、三角屋根の下には、実際の断層面を保存展示する地下観察館がある。
 地下観察館では深さが10m近い方形の穴が掘られていて、6mもの地層のずれを目の当たりに見ることができる。土の色の違いや礫の大小により、右と左の地層の違いがはっきりと確認できる。今、南海トラフの巨大地震や内陸の直下型地震がいつ発生しても不思議でないという。6mもの亀裂ができるような地震が起これば、その被害は測り知れないものとなるであろう。

根尾谷断層H

天竜峡大橋とラウンドアバウト

 三遠・南信自動車道の天竜峡ICと千代ICを結ぶ「天竜峡大橋」が、明日11月10日に開通する。期せずして天皇陛下の即位祝賀パレードと同じ日になった。長さ280m、天竜川からの高さは約80mである。この開通により、中央自動車道から喬木方面へのアクセスが格段に便利になる。
 アーチ橋ではあるが、独特のスレンダーなシルエットにデザインされている。これは名勝地「天竜峡」の美しい自然景観との調和を考えたものである。また、車道の真下に歩行者通路が設けられているのも特色である。中間点の展望スポットからは天竜峡の絶景を見渡すことができる。

天竜峡大橋マップ

 天竜峡インターチェンジの一角に新たな「ラウンドアバウト」が整備されている。ロータリーとも呼ぶ信号のない交差点である。国道151号から、天竜峡大橋へ向かう道路と地域道路との交差点に位置する。飯田市では、有名なリンゴ並木近くにも、既に2か所設置されている。
 ヨーロッパ諸国では、郊外の交差点はラウンドアバウトが主流である。交通量も少なく見通しの良い農村地帯では、信号を設置するよりよほど効率的なのであろう。ただ日本では、まだ数も少ないことから運転手が戸惑うことも多く、交差点前にたくさんの注意看板が立っていた。

天竜峡大橋G

◆2年前に、施工中の記事を掲載しましたので、ここに「再掲」します◆

 三遠南信自動車道 (国道474号) は、三河・遠州 (浜松) と南信州 (飯田) を結ぶ、延長約100kmの高規格道路である。飯田方面からは現在、中央自動車道・飯田山本インターから、天竜峡までが共用されているが、その先、龍江へ向けて工事が進んでいる。
 その中でも最も大規模なのは 「天龍峡大橋」 の建設である。来年度の開通を目指して、着々と工事が進んでいる。橋の長さは280m、形式は鋼上式アーチ橋 (バスケットハンドル型固定アーチ) である。架設の方法は、ケーブル工エレクション斜吊り工法という。

天龍峡大橋マップ

 建設場所は、天龍奥三河国定公園の名勝 「天龍峡」 である。天竜川が深く刻み込んだ断崖絶壁が続く渓谷は、新緑・紅葉の美しい風光明媚な観光地である。橋の形状は、渓谷によく調和するように、スレンダーなアーチを採用した。色彩も周辺の景観に馴染むように 「山鳩色」 にする予定である (上の写真:現地に設置された広報看板)。大橋は自動車専用のため自動車しか通行できないが、桁下に幅2mの歩道を設置し、天龍峡周遊歩道の一部として魅力向上を図ることになっている。
 現在、川の両側に仮設の鉄塔が組まれ、ケーブルにより部材を運搬している (下左の写真)。最近、アーチが繋がり、天竜川の上空に完成を予想できるような姿が現れている。散策路途中の吊橋から下流を見ると、橋の下にJR飯田線の鉄橋や 「天龍下り」の船を見ることができる (下右の写真)。
 さらに下の3枚の写真は、天龍峡の渓谷美を写したものである。スリル満点の吊橋は、よくサスペンス・ドラマの舞台として登場する (このブログでも、平成26年8月15日に紹介した)。

天龍峡大橋H

天龍峡大橋I

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ブログを始めるに当って

 私ども「中部復建」は、戦後から一貫して土木施設の計画設計に携わってきました。地域の皆さんに、より身近に土木を感じて頂きたく先人が残してくれた土木遺産等を訪ね歩き≪中部の『土木文化』見てある記≫として、皆さんに紹介していきたいと思い、このブログを発信する事としました。  

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プロフィール

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森 田 高 尚
昭和21年6月 半田市生まれ
平成12年 東山植物園長
平成17年 名古屋市緑地部長
平成19年 中電ブルーボネット園長
平成24年 中部復建技術顧問
技術士:(建設部門・環境部門)
公園管理運営士 
著書:『園長さんのガーデンライフ』
監修:『世界一うつくしい植物園』
 (著者:木谷美咲)
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