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飯田市「保寿寺」の大桧

 飯田市竜江、天竜川を見下ろす山際に「しゃくなげ寺」としても知られる禅寺がある。「保寿寺」は鎌倉時代以来の歴史をもち、地域の檀家だけでなく「花の寺」として各地からの参詣者も多い。実は、私も檀家の一人であり、石楠花・紅葉・山野草の大ファンでもある。
 本堂の横、高い石垣の下に巨大なヒノキが聳えている。「南山桧」と呼ぶ。直径は1mほど、高さは30m近く、樹齢は700年以上という。創建当時から大切にされてきたが、弘化元年(1844)の江戸城二の丸普請、また明治14年(1881)皇居造営の用材として求められたけれど、その都度「嘆願書」を差出して阻止してきた。

保寿寺マップ

 高い石段を登ると江戸中期建造という黒門があり、さらに昇るとやはり江戸時代以来の鐘楼門がある。鐘楼門をくぐってすぐに池があり、斜面一帯に石楠花が群生している。この庭は250年の歴史をもち、古くから実生のキョウマルシャクナゲを育ててきた。高山に自生するこの種が、標高500mほどのこの寺に群生することは稀有のことと考えられている。
 もう一つのこの寺の魅力は、野生の山野草が豊富なことである。いつ訪れても、石段の脇や水路沿いに小さな花を見つけることができる。乾湿や日当たりなどの環境に適応した自然の植生を、丁寧な除草などの手入れにより保護・育成していることが、一目で感知できる。

保寿寺G

長久手のトヨタ博物館

 久しぶりに取材に出かけた。長久手のグリーンロード沿いにある「トヨタ博物館」である。東郷の自宅から県道57号でまっすぐ、30分ほどと意外に近い。10年ほど前に来て以来、2回目である。
 建物は長楕円形、緑青色の屋根にガラス張りの明かり取りが個性的である。道路方面に赤いT字の標識が突き出ているので、すぐに分かる。入り口を入ると、駐車場まではよく手入れされた樹林である。

トヨタ博物館G

 トヨタ自動車が威信をかけて、“自動車の歴史を学び、人と車の豊かな未来のために”つくった博物館である。日米欧の代表的な車両が140台展示されている。
 ガソリン自動車の第1号と言われるベンツ(複製)や1936年にトヨタが初めてつくった1号車など。1920年代の、“ローリング20”のドラマに出てくるようなアメリカ車も並んでいて興味深い。

トヨタ博物館マップ

 戦後のコーナーでは、子供のころに町で見かけた懐かしい車種や、自分が乗ったことのある車も並んでいる。次はどんな車を選ぼうかなどと想像するのも楽しい。
 10数年前と異なり、新たに「文化館」が増設されていた。ここにはミニチュアやプラモデル、世界のナンバープレート、自動車を描いた切手などのコレクションが展示されている。自動車専門の図書館も併設されている。


季節通信76ハンゲショウ




月瀬の大杉

 国道153号を飯田方面に向かい、県境を越えてすぐのところ、下伊那郡根羽村に巨大な杉の木がある。「月瀬の大杉」と呼ぶ。幹まわり14m、高さ40m、樹齢は1800年を超えると推定されている。平成元年に行われた環境庁の調査により、長野県で第一の巨木であると確認されている。
 樹形は、杉らしい円錐形で、まだまだ若々しいスタイルを保っている。根元から1本枝が出ているので少し扁平で、その方向から見るとさらに太く見える。少し離れたところに素掘りの水路があり、そこに太い根が洗われて見えている。土壌条件が良くて遠くまで根を張っている様子が見てとれる。

月瀬大杉G

 近くの月瀬神社のご神木として古くから崇敬されてきたが、幾度かの危機はあった。弘化元年(1844)、江戸城本丸焼失後の復興用材として求められ、あるいは明治41年(1908)の村内神社統合の際には売却も検討されたが、住民の団結により回避することができた。昭和19年に、国の天然記念物に指定されており、永久に保存されることとなっている。

月瀬大杉マップ

アボガドロ数

 中日新聞夕刊のコラム欄で名古屋大学の先生が、地球惑星科学科の授業について語っている(6月10日の「紙つぶて」)。内径2cm×高さ2cmの水、すなわち6ミリリットルの水の中に2×1兆×2000億の水分子が入っているという。
 1円玉の直径がちょうど2cmであり、それを13枚重ねると約2cmになる。6ミリリットルの体積を視覚的に認識しようとすれば、下の写真になる。この中に4000万京の水分子が数えられるというのだ。地球惑星科学というのは、何万光年という気の遠くなるような広大な世界から、極微な分子までを学問の範囲としているのだろう。

1円玉

 この記事を読んでいて、はるか昔の高校時代に習った物理か化学の授業を思い出した。「アボガドロ数」である。1モル(mol)という単位があり、物質量を示す。分子量の数字にグラムをつけた質量に含まれる物質量をいう。例えば・・・
 水の分子は、H2 Oであるので2+16=18g(18ミリリットル・・・写真の3倍)が1モルの重さである。1モルの中にある分子の数は・・・≪6×10の23乗≫という数を50年以上経った今も覚えている。ついでに、気体の場合には22.4リットルの体積が1モルである(との記憶である)。
 受験のために必死で覚えたのかもしれないが、それ以上に未知の遠大な(極小な)世界に、好奇心的な興味をもったように思う。そうでなく受験用だったら、とっくの昔に忘れ果てたであろう。さらに、「水兵離別バックの船 なあに間があるシップはすぐ来らあ 閣下はスコッチのバクローマン」というのも思い出した。これは、元素の周期表を暗記する呪文である。

元素


季節通信75雨に咲く花

野間大坊の「義朝廟」

 野間大坊を初めて訪れたのは私が小学校を卒業した春休み、先生2人と同級生15人ほどでサイクリングした時である。亀崎から内海までの、かなりの遠出であった。知多半島中央部の、アップダウンの多い道を自転車で走った覚えがある。もう60年近い大昔!のこと。
 その後何度もこの寺を訪れているが、その印象は初めてのときと少しも変わっていない。源頼朝建立ともいわれる大門だが、両袖に塀がないため孤立したイメージである。入母屋造りの本堂も、宝暦4年(1754)建築と古い造りだが、前面に石畳などがないためか何となくシックリした感じがない。全体の伽藍としてのまとまりが欠けているような気がする。

野間マップ

 印象深いのは「義朝の廟」である。石垣に挟まれた小さな門の向こうに多宝塔型の石塔が見え、その周囲にびっしり木刀が積まれている。下の方には古く朽ちかけたものもあり、表面にはまだ新しい木肌を見せるものもある。
 平治元年(1159)、「平治の乱」に敗れて知多半島まで逃れてきた源義朝(頼朝や義経の父)は、縁者のもとに身を寄せたが、裏切りに遭い湯殿で殺されてしまった。この時義朝は“我に木太刀の一本なりともあれば”と無念を叫んだという。この故事から、後の人々が木刀をささげ続けているのである。

野間季節通信73

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ブログを始めるに当って

 私ども「中部復建」は、戦後から一貫して土木施設の計画設計に携わってきました。地域の皆さんに、より身近に土木を感じて頂きたく先人が残してくれた土木遺産等を訪ね歩き≪中部の『土木文化』見てある記≫として、皆さんに紹介していきたいと思い、このブログを発信する事としました。  

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プロフィール

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森 田 高 尚
昭和21年6月 半田市生まれ
平成12年 東山植物園長
平成17年 名古屋市緑地部長
平成19年 中電ブルーボネット園長
平成24年 中部復建技術顧問
技術士:(建設部門・環境部門)
公園管理運営士 
著書:『園長さんのガーデンライフ』
監修:『世界一うつくしい植物園』
 (著者:木谷美咲)
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