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弁財天海浜公園と弁天大橋

 太田川の東5kmほどの所、袋井と掛川の市境に弁財天川が流れている。長さ約4kmの二級河川で、流域面積4.5㎢ほどの水田地帯を流れている、。遠州灘に注ぐ河口周辺は「弁財天海浜公園」になっている。松林のある丘陵は、海から吹きつける風により打ち寄せられた砂山である。
 入母屋屋根のある展望台周辺には枯れたマツが目立つ。海からの塩分や砂から田や畑を守るために植えられた松林であるが、松くい虫の被害を受けたものであろう。ヨシの生い茂る砂浜に、ハマボウの自生株が生えていた。

弁天G

 海岸に新たな砂防工事が施されている。クロマツは潮風や乾燥に耐える性質をもつので、海岸の砂防植栽に採用されている。角材を組み合わせた砂防壁に守られている。広大な砂丘地には強い風と陽光を利用した風力発電機と太陽光発電機が設置されていた。
 もっとも下流の河口部に、水面と砂浜を跨ぐ長大な橋が架けられている。サイクリングロードの自転車専用橋で「弁天大橋」という。6径間のコンクリート造りで、平成3年に完成した。親柱の上に、天守閣の棟にあるような鯱の彫刻が飾られている。

弁天H

季節通信211タンポポ

五条橋と中橋

 堀川は、慶長15年(1610)に名古屋城築城のために開削された。港から、石材や木材が舟によって運搬された。堀川には、江戸時代に7本の橋が架けられたという。上流から、五条橋・中橋・伝馬橋・納屋橋・日置橋・古渡橋・尾頭橋である。
 「五条橋」は、清州の五条川に因んだ橋である。清洲越しのときに移設したという。五条橋を渡ると円頓寺商店街に至る。橋から2番目の角を曲がると「四間道」である。堀川・土蔵・広い道によって、西からの火災から「お城」を守るための防火帯である。今の橋は、昭和13年竣工である。

五条橋マップ

 次の橋は、五条橋と伝馬橋の間にあるので「中橋」と名付けられた。現在の橋は、大正6年(1917)に架けられたものである。日本に現存する道路用鋼桁橋としては、4番目に古い橋である。石造りの親柱に「なかはし」「大正六年九月」と刻まれている。
 石積みの橋台、鋼製の橋脚ともに大正期のオリジナルである。橋脚は、たいへん華奢な構造である。溝型鋼が小鉄板とリベットで縫い合わされたもので、鉄道の橋梁などには見られるが、川の橋としてはとても珍しいという。

中橋H

外堀の本町橋

 現在の名古屋都心・南北のメイン・ストリートは大津通りだが、江戸時代は「本町筋」だった。本丸の正門を出て、侍町である三の丸を南へ進むと「本町門」に至る。門を出て外堀に架かる橋が「本町橋」である。そこから南に下る、大須を経て熱田へ向かう中央道であった。
 大津橋のところの石垣を見ると、道路拡幅のために石垣の改造が行われている。しかし、本町橋のたもとの石垣は隅石もあって昔のとおりに残されている。幅員は4間、碁盤割りの道路幅3間より広くなっていた。現在は、護国神社近くの交通量の少ない道である。

御園橋マップ

 江戸時代は木製の土橋であったと思われるが、今は鉄筋コンクリート製、下部は煉瓦アーチである。明治44年(1911)に架け替えられた。親柱に「本町橋」「明治四十四年七月」と刻まれている。土塁の大木や外堀通りの街路樹が繁っていて、夏の取材だったけれど暑さを感じなかった。
 北東側の樹林の中に踏み分け道があって、辿っていくと石碑が立っている。御影石のレリーフに、馬と犬と鳩の絵が描かれている。「軍馬」「軍犬」「軍鳩」(伝書鳩?)の文字も記されていて、戦争で命を落とした動物の慰霊碑であることが分かる。

入鹿池と入鹿大橋

 入鹿池は周囲16km、面積152ha。人工の溜池としては我が国最大である。下流域の犬山市やその南の小牧市、西に位置する丹羽郡などへ灌漑している。五条川などいくつかの河川を堰き止める堤防は、高さ27m、延長120mの土堰堤である。斜面に「いるか池」の文字が描かれていた。
 入鹿池の歴史は、江戸時代初期に遡ることができる。木曽川の氾濫が人々を苦しめていたので、慶長14年(1609)、徳川家康は「御囲堤」と呼ばれる堤防を築いて治水を行ったのである。しかし、それまで田畑を潤していた何本かの支流が全て廃川になってしまった。
 そこで木曽川から取水する用水路を整備する必要が生じた。般若用水や大江用水(宮田用水)などが開削された。さらに、新田開発の行われていた丘陵地の高台に灌漑するために、この入鹿池が整備されたのである。

入鹿池

 「入鹿大橋」は、県道・春日井犬山線が、入鹿池に注ぐ五条川を跨ぐ橋である。昭和62年(1987)完成、長さ114m、型式はニールセン・アーチである。アーチ部分は真っ赤に塗られている。対岸の入鹿池の堤防から見ると、吊り下げのワイヤーは透き通って見えないので、まるで「赤い虹」のように見える。

入鹿大橋

季節通信170アセビ


目次の追加(季節通信)

 本編だけでなく「季節通信」もずいぶん進みました。季節通信は、ある友人にメールで送った植物写真に「季節通信ありがとう」との返信をいただいたことに着想を得て始めたものです。前回は100回までの目次を作成しましたが、現在は150回を越えています。
 「植物」は「土木」と違って、もともと私の分野であり、写真も撮りためてありますので、少し図鑑などで確認すればスラスラと書けます。本編が「メインディッシュ」とすれば「箸休め」的な存在のつもりで発信しています。(予約分を含む)

目次・季節

季節通信162ハンノキ


目次の追加

 昨年秋に少し衰えを見せたコロナが、また新たな変異株「オミクロン」として猛威を振るっています。外出もままならず取材もできないので、これまで発信したブログの目次の整理をしてみました。平成25年(2013)2月以来書き続けていて、足掛け10年にもなります。回数は730回、我ながら感心します。前回は昨年の2月まででしたので、1年分の追加をします。参考にしてください。
 ≪2021年~2022年≫
目次14
 ≪2021年≫
目次13
 ≪2021年≫
目次12




本編目次 その11 (2021年)

 3月以降は、予約投稿です。乞うご期待!!

目次その21

本編目次 その10 (2020年)

目次その19

目次その20

本編目次 その9 (2019年・2020年)

目次その17

目次その18

本編目次 その8 (2018年・2019年)

目次その15

目次その16

本編目次 その7 (2018年)

目次その13

目次その14

本編目次 その6 (2017年)

目次その11

目次その12

本編目次 その5 (2016年・2017年)

目次その9

目次その10


本編目次 その4 (2015年・2016年)

目次その7

目次その8

本編目次 その3 (2014年・2015年)

目次その5

目次その6

本編目次 その2 (2014年)

目次その3

目次その4

本編目次 その1 (2013年)

 3日前に、「季節通信の目次」を掲載したところ、“遡って閲覧できる” と大変に好評でした。さらに、“ブログ本編の目次があるとありがたい” という声もいただきました。平成25年(2013)からスタートして約8年、650件を超えました。私にとっても、過去の記事を読んでいただけるのは “本望” ですので、「本編の目次」を掲載させていただきます。
 概ね60件づつ発信するとしますと10回ほどかかります。今日から始めて、今月中くらいに終えたいと思います。バックナンバーは、カテゴリーの「目次」の欄に保存しておきますので、そこからお気に入りの記事を選んで読んでください。

目次その1

目次その2


季節通信の目次(100回)

 とかく硬くなりがちな「土木文化」のブログに、彩りを添えようと始めました。3年前の2018年4月からスタートして、この4月でとうとう100回目を数えます。私のメル友に、ときどき季節の花の写真を送っていたところ、“季節通信をありがとう!” とお礼を言われたのがきっかけになりました。“継続は力なり” と言います。ブログそのものも700回近くになります。私の力(体力・気力)がある限り、どちらも続けていきたいと考えています。

季節通信 目次 syukusyou









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ブログを始めるに当って

 私ども「中部復建」は、戦後から一貫して土木施設の計画設計に携わってきました。地域の皆さんに、より身近に土木を感じて頂きたく先人が残してくれた土木遺産等を訪ね歩き≪中部の『土木文化』見てある記≫として、皆さんに紹介していきたいと思い、このブログを発信する事としました。  

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建設・補償コンサルタント

プロフィール

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Author:FC2USER480348EQK
森 田 高 尚
昭和21年6月 半田市生まれ
平成12年 東山植物園長
平成17年 名古屋市緑地部長
平成19年 中電ブルーボネット園長
平成24年 中部復建技術顧問
技術士:(建設部門・環境部門)
公園管理運営士 
著書:『園長さんのガーデンライフ』
監修:『世界一うつくしい植物園』
 (著者:木谷美咲)
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