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ヴェスプレムの公園

 ヴェスプレムのお城は、切り立った石灰岩の崖の上にあり、その下には小川が流れている。現在この谷間は、細長い緑道的な公園になっている。散歩道や自転車道があり、その終点には動物園もある。途中の斜面には、地形を利用して冒険遊びができる遊具コーナーも整っていた。
 周辺の住宅地も敷地にゆとりがあるせいか、ゆたかな緑に包まれている。一軒一軒の家の形はまちまちであるのに、どの家も赤い瓦で葺かれていて、調和のある美しい景色を形づくっている。法や条例による規制もあるのだろうが、住民ひとり一人に町を美しくしたいと思う強い気持ちがある結果だと考えられる。

ヴェスプレムの公園E

 清流と緑だけではなく、公園の施設も面白く工夫されている。亜鉛引きの鉄線を編んだ籠に石灰岩を入れ、ガラスの扉を付けて中に本を入れた 「ミニ図書館」。楽しくカラフルな絵模様を描いた小型トラックは、実際に運転席でハンドル操作の真似をすることができる。公園設計者の創意工夫は、子どもたちの創造力醸成にも効果があるものと思われる。

ヴェスプレムの公園F

ヴェスプレムの街路樹(スタンダード造り)

 ヴェスプレムは、ブタペストから西へ120km、中央ヨーロッパ最大の湖 「バラトン湖」 の畔にある町である。人口約8万人、お城を中心とした緑豊かな文教都市である。近くに高級磁器で有名な 「ヘレンド」 の町もあり、そろそろ日本人観光客のターゲットにもなり始めている。
 町を歩くと、普通の大きな街路樹も目につくが、都心部などには日本ではあまりお目にかからない、一風変わった街路樹を見ることができる。「スタンダード造り」 と呼ぶスタイルで、バラの仕立て方にも使われる形式である。2~3mに真っ直ぐ伸びた幹に、球形の樹冠が乗るような形である。

ハンガリーの街路樹マップ

 日本では、大きくなりすぎた街路樹の剪定費用や落葉対策が課題となりつつある。樹形のシンプルな 「スタンダード造り」 は、場所にもよるけれど、導入を検討したらと思う。樹種を見ると、ブナ科やトネリコ類、カエデの仲間やサクラまで使われている。仕立て方を見ると、通直な若木に何本かの枝を 「接木」 して育てたのではないかと考えられる。

ハンガリーの街路樹A

ブダペストの市電とトロリーバス

 番外編:この7月に旅行したハンガリーの話題を少々・・・

 ブダペストはハンガリーの首都。人口約200万人は、名古屋とほぼ同じである。ドナウ川を挟んで、西側のブダと東側のペストが一緒になってブタペストとなった。とても魅力的な街で 「ドナウの真珠」 と賞されている。
 この街の主要な交通手段に市電がある。カラフルな車両が、5~6両編成で走る姿も美しいが、架線を支える電柱のデザインも素晴らしい。下の写真は、ドナウ川の真中に横たわるマルギット島への橋を渡っているところであるが、橋の親柱や街路灯・信号機も含めて調和のある景観である。

ブダペストの交通1

 もうひとつ、トロリーバスも走っている。レールのない電車とも言えるし、電気で走るバスとも言うことができる。ちょっと古めかしい姿が、伝統的な建物を大切にする街並みに似合っている。  
 このトロリーバスが、名古屋にも走っていたことを知る人はかなり少ないのではないか? 昭和18年~26年の9年間、東大曽根から桜山までの一路線だけに導入されていたのである。 

ブダペストの交通マップ

奈良井ダム(ロックフィルダム)

 奈良井宿から南へ約4km、奈良井川を遡ったところに巨大なロックフィルダムがある。奈良井ダムといい、形成されるダム湖は奈良井湖と呼ぶ。長野県が昭和41年 (1966) に着工し、昭和57年 (1982) に完成させたものである。
 高さ60m、長さ180m、総貯水量は800万立方メートルである。信濃川水系奈良井川の洪水調整、農業や上水道といった利水および発電のための多目的ダムである。下流に奈良井発電所があり、最大出力830kwの発電を行なっている。

奈良井ダムC

 ロックフィルダムは、コンクリートでなく岩石を積み上げて建設する。水が漏れないように、中心部には粘土のコアをつくり、砂や砂利のフィルターで覆った外側に岩石を積み上げる。世界的には、エジプトのアスワン・ハイ・ダムや中国の紫坪埔 (しへいほ) ダムが有名である。日本では、木曽川の徳山ダムや庄川の御母衣ダムなどが知られている。

奈良井ダム マップ
                            ≪長野県土木部発行のリーフレットより作成≫

中山道・奈良井宿

 ちょっと東海道を離れて、お盆に訪れた「奈良井宿」の話題を・・・

 木曽路11宿の中で、江戸から2番目に近く、標高がもっとも高い (1197m) 宿場町である。中山道の難所である 「鳥居峠」 を控えて、多くの旅人が宿泊した。「奈良井千軒」 と呼ばれるほど旅籠の数が多く、妻籠宿と並んで栄えたところである。
 奈良井川に沿って約1kmにわたる町並みは、日本で一番長い宿場町である。途中6か所の水場があり、旅人の咽を潤した。建物の屋根は、元々は板葺きの石置きであったが、今は鉄板になっている。長く張り出した軒先の造りが特徴である。

奈良井宿1

 身近な歴史的資産の再確認と継承・維持を目的とした町並み保存運動は、他の地域よりも早く、昭和43年に始まった。昭和53年には国から 「重要伝統的建造物群保存地区」 に指定された。その後も、平成元年に 「手づくり郷土賞」、平成19年に 「美しい日本の歴史的風土百選」、平成21年には 「花の観光地づくり大賞」 に選ばれるなど、景観を活かした地域づくりの先駆けとなっている。

奈良井宿マップ

豊橋市「前田橋歩道橋」

 豊橋市の中心街、駅前大通を東へ約1km行き、左へ折れて600mほど歩くと豊橋公園に至る。公園内には吉田城跡、各種スポーツ施設や美術博物館があり隣接して市役所もある。すなわち豊橋市の政治・文化の中心地である。
 このルートは 「豊橋シンボルロード」 と呼ばれている。前田橋歩道橋はこの道の曲がり角・牟呂用水との交差点に設置された。交通量の多い変則5差路である。交通島と東側・北側の歩道へ渡る3本のデッキと斜路から構成されている。歩道橋の中央に4本の柱からなるモニュメントが聳えている。周辺のビル群に負けない高さ30mのタワーである。4本の柱は、「豊橋市民」 とそれを支える 「農業」・「工業」・「商業」 を表現しているという。個性的な姿は、まさにランドマークの役割を果たしている。平成5年に、当社中部復建が設計をさせていただいた。

前田橋歩道橋マップ

 今年4月から歩き始めた東海道も、尾張・三河を過ぎ、いよいよ静岡県の遠江・駿河へと進んでいきます。静岡県は、西の 「白須賀宿」 から東の 「三嶋宿」 まで22の宿場町があり、東海道53次の約4割を占めるという多さです。
 今はお盆、毎日の気温は35度を越える真夏日が続いています。この暑さの中、街道を歩くのは少々きついので、少し暑さが和らいでから再開したいと思います。どうぞご期待ください。

前田橋歩道橋A

豊橋市「牛川の渡し」

 道路が川にぶつかると、通常は橋を架ける。しかし、江戸時代には、技術的な問題や戦略上の理由で橋がなく、渡し舟で往来するところがあった。そんな古の雰囲気を今も味わえる渡船場がある。豊橋市の豊川 (一級河川) を渡る 「牛川の渡し」 である。
 この路線はれっきとした道路で、「市道大村町・牛川町175号線」 という名前がついている。道路であるからして、一年中休みはない。ただし、時間は4月~9月は夕方6時まで、10月から3月までは5時までとなっている。船頭さんはこの職について以来、1日も休んだことがないという。

牛川の渡し

 舟は昔ながらの 「竿」 で漕ぐ。起源は平安時代ともいわれているので、1000年も前から変わっていないのかも知れない。小高い樹林の中に船頭さんの待機所があり、お客は 「船よび板」 を木槌でたたいて呼ぶのである。洪水などの危険がある悪天候を除いて、毎日50~60人が乗船する。中には情報を知って日本各地から尋ねてくる人もあるという。自転車の乗船も可能である。

牛川の渡しA
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ブログを始めるに当って

 私ども「中部復建」は、戦後から一貫して土木施設の計画設計に携わってきました。地域の皆さんに、より身近に土木を感じて頂きたく先人が残してくれた土木遺産等を訪ね歩き≪中部の『土木文化』見てある記≫として、皆さんに紹介していきたいと思い、このブログを発信する事としました。  

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プロフィール

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森 田 高 尚
昭和21年6月 半田市生まれ
平成12年 東山植物園長
平成17年 名古屋市緑地部長
平成19年 中電ブルーボネット園長
平成24年 中部復建技術顧問
技術士:(建設部門・環境部門)
公園管理運営士 
著書:「園長さんのガーデンライフ」
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