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春日井市都市緑化植物園

 昭和40年代から50年代にかけて、全国各地に「都市緑化植物園」が誕生した。その少し前から、「都市の緑化」が叫ばれ、公園・緑地の拡大がうねりとなっていたのである。大気汚染など、都市の環境悪化が問題となっていた時代である。
 都市緑化植物園には、「みどりの相談所」が併設されている。“都市の緑化”には、市民の関わりが大切である。自宅の庭づくりをしたり、公共緑化のボランティアをするためにも“緑に対する”知識が必要となる。緑化相談所とは、緑化講習会を開いたり、電話相談などに対応するところである。

春日井植物園マップ

 春日井都市緑化植物園(グリーンピア春日井)は、岐阜との県境の山々を背景に整備された。温室や洋風花壇を中心に、生垣見本園・菖蒲池・バラ園・椿園・果樹園などがある。北端には「動物ふれあい広場」、南端にはボート池も整っている。
 温室の内部は一風変わっている。ガラス室の中に街並みが設えられ、通路に街路樹風の植栽がされたり建物の壁に花飾りが施されている。このスタイルは、丹波篠山の「花の植物館」が初めて手掛けた手法である。従前の温室内は“あたかも熱帯雨林の自然を再現”していたのに対する新提案であった。

春日井植物園G

高蔵寺サイフォン橋

 愛知用水は、岐阜・加茂郡の木曽川から流れて知多半島に注ぐ。その途中、犬山の入鹿池の横に架かる「入鹿水路橋」については先月(4月)3日にご報告した。その後、庄内川を渡るためのサイフォン橋が高蔵寺にあることが分かったので取材することとした。
 前回(4日前)の「東谷山」の写真に、庄内川を渡る水道橋が写っている(マップも参照)。美しいアーチのローゼ橋に、青く塗られた水道パイプが乗っている。位置的にもきっとこれだと近寄って見ると「愛知県上水道」の文字が見える。確かに、愛知用水の水量としては細すぎるように思った。

高蔵寺サイフォンG

 もう少し上流を探すと、愛知環状鉄道の近くに巨大な水道管があった。緑色のトラス橋に同じく緑色に塗られたパイプが走っている。「高蔵寺サイフォン橋」という。長さ155m、直径は人の背の2倍ほどの3.3mもある。近寄って見ると驚くほどの太さである。
 「サイフォン」とは、道路の下などに管を通して水を送るシステムをいう。ただし、送る側(入口)の方が出口より高い位置にある必要がある。ここでは、高座山の中腹を流れてきた水が管を潜って流れていくのであろう。幅も深さも大きい愛知用水の水を流すには、これほどの太さが必要なのである。

高蔵寺サイフォンH

季節通信189シバザクラ


東谷山と東谷橋

 東谷山は、守山区と瀬戸市の境界にある。標高は198mあり、名古屋の最高峰となっている。古くから信仰された霊山で、熱田神宮の奥の院としても信仰を集めた。また、山中や麓に多くの古墳があることでも知られている(2020・11・29「古墳」参照)。山裾には「東谷山フルーツパーク」がある。
 庄内川に架かる東谷橋は、JR中央線・高蔵寺駅の南約500mの位置にある。県道53号と15号を結ぶ橋でもあって普段から交通量は多いが、フルーツパークの「枝垂れ桜」の咲く季節には大渋滞となる。明治以前は渡し船、大正になって木橋が架けられた。現在の橋は昭和33年(1958)に架け替えられたものである。長さ160m、幅6mのデッキトラス橋である。

東谷橋G

 橋を渡りきってフルーツパークへと向かう交差点に案内板が立てられている。しかし、車道外の部分に工事用のバリケードがあり、あまり美しい景観とは言えない。県立大学の案内板はあるが、最近整備された「志段味古墳群」の案内は見当たらない。二つの文化・観光施設の導入部であり、春日井市からの玄関口でもあることを考えると、少し配慮に欠けていると思われる。
 気を取り直して橋の上から東谷山を眺めてみよう。5月の初めだったので、シイノキの花が森を金色に染めていた。東谷山の北斜面は、この地方に残された貴重な「照葉樹林」なのである。信仰のある山として、古来からの自然林が守られてきたのであろう。
≪名古屋市内でのまとまった照葉樹林(シイやカシ、サカキなどの森)は、熱田神宮と徳川園とここだけである≫

東谷橋マップ

季節通信176サカキ

天ヶ橋と手掘り隧道

 JR中央線は、春日井を過ぎると高蔵寺・定光寺・古虎渓といった山中の駅を経て多治見に至る。このあたりには、中央線による通勤・通学に便利なせいかニュータウンの住宅地が集まっている、古虎渓駅の近くには「市之倉ハイランド」が、多治見駅との間には「多治見ホワイトタウン」がある。
 古虎渓の辺りは庄内川の上流で、岩山が迫って狭い峡谷となっている。中央線や県道15号は川沿いに並行して走り、トンネルも多い。古虎渓トンネルに沿って、岩を削ってつくった古い杣道がある。人一人がすれちがうのがやっとというような道なのに、結構歩く人が多い。

天ヶ橋G

 高校生が来たので聞いてみると、ホワイトタウンから古虎渓駅までの通学路だという。地図で見ると、確かに多治見駅へ出るよりは近道のようである。ここには岩を手掘りでくり貫いた隧道と赤いアーチの人道橋がある。ただ、夜間照明の様な施設も見当たらないので、懐中電灯を持ち歩いているのだろうか。
 橋の名前は「天ヶ橋(あまがはし)」と呼ぶ。長さは50mほど、幅は2mくらい。大正15年(1926)に建設されたという。手掘り隧道の方はもっと古いのだろうか。人々の大切な道だったのであろう。今は岩肌剥き出しではなく、コルゲート(波型)の鉄板で補強されている。

季節通信175シキミ


多治見橋

 名古屋の城下は、東海道や中山道など主要街道から離れていた。そこでそれらと結ぶ脇街道が発達する。「下(した)街道」は、名古屋から中山道大井宿に至る道である。内津峠を越えて多治見を経由する。現在の国道19号やJR中央線に近いルートである。
 多治見は古くから陶器の町として知られる。七世紀初頭から始められ、志野や織部といった美濃焼に発展している。多治見の街道沿いには今も歴史を物語る町名が残っている。本町・中町・上町・栄町、明治町・大正町などという名もある。土岐川を跨ぐのが「多治見橋」である。

多治見橋G

 明治の初めまでは、水量の少ない冬季には土橋が架かっていたが、夏は渡し船であった。初めて本格的な板橋が架けられたのは、明治13年(1880)の明治天皇行幸のときである。長さ110m、幅4mだったという。しかし、翌年洪水により流失してしまった。その後、4代目まで木製であった。
 鉄筋コンクリートの永久橋が出来たのは昭和12年、現在の「多治見橋」である。延長115m、幅員11m。当時は国道であったが、19号がバイパスに移った後は県道15号となっている。平成になって欄干や照明灯などの修景が行なわれた。


小淵ため池

 小淵ダムによって堰き止められた人口湖は「小淵ため池」あるいは「小淵防災ため池」と呼ばれる。湛水面積は9ha、貯水容量は約55万立方メートル、流域面積は7.5平方キロメートルである。
 ため池には2本の橋が架かっている。ひとつは東海環状自動車道で、現在、複線化の工事が行われている。もう一つは、岐阜県道84号で、土岐と可児を結ぶ道路である。この橋は「志野大橋」と名付けられ、景観に配慮されている。高い塔がありワイヤーが張られているので、一見「斜張橋」のように見えるが、構造上のものでなくデザイン的な飾りのようである。

小淵ダムG

 ため池周辺は公園として整備されており、春は桜、秋は紅葉が美しい。東海自然歩道のルートにもなっていて、ハイキングなどにも利用される。釣りをすることもできる。マスやコイが釣れるらしい。取材当日も、釣糸を垂れている人がいた。
 池の周りを一周する散策コースがある。池の周辺に桜が多く植えられているが、護岸には「ハナノキ」が植えられている。ちょうど花の時季で、枝先が赤く染まっていた。ハナノキは雌雄異株で、雌の木には羽根ついた実がなる。これを見るとカエデの仲間だと知ることができる(実の写真は別の場所で撮影)。車窓からの観察だが、このあたりの谷間には自生のハナノキがあるように思われる。

季節通信177レンゲ

小淵ダム

 中央線・多治見駅と高山線・美濃太田駅を結ぶJR線を「太田線」という。その沿線に可児の町がある。木曽川の支流・可児川の扇状地に発達した町である。中山道は、太田宿(2019年12月と2017年10月のブログ参照)で木曽川を渡り、可児川に沿って東へ進む。可児市・御嵩町に「伏見宿」がある。
 可児川のさらに支流として「久々利川」が流れている。可児川・久々利川の流域の山々は、比較的なだらかなため、また名古屋方面からも便利なためゴルフ場が多く造られている。航空写真を見ると、樹林の間に黄緑色の芝生が目立って見える。

小渕ダム

 久々利川の下流域は水田や村落が多くある。かつては久々利川の氾濫によりたびたび被害があったのであろう。昭和26年(1956)に洪水調整用のダムが整備された。「小淵ダム」という。日本で最初に完成した「ロックフィルダム」である、高さ18.4m、堤頂長53mである。
 ロックフィルダムは、岩石を高く積み上げて築きあげる。岩には隙間ができて水が漏れるので、いろいろな方法で遮水層をつくる必要がある。粘土を間に挟んだり、表面をアスファルトで舗装したりする。小淵ダムは、表面全体をコンクリートで覆う形式である(コンクリート・フェイシングダムという)。

季節通信178タンポポ


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ブログを始めるに当って

 私ども「中部復建」は、戦後から一貫して土木施設の計画設計に携わってきました。地域の皆さんに、より身近に土木を感じて頂きたく先人が残してくれた土木遺産等を訪ね歩き≪中部の『土木文化』見てある記≫として、皆さんに紹介していきたいと思い、このブログを発信する事としました。  

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プロフィール

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Author:FC2USER480348EQK
森 田 高 尚
昭和21年6月 半田市生まれ
平成12年 東山植物園長
平成17年 名古屋市緑地部長
平成19年 中電ブルーボネット園長
平成24年 中部復建技術顧問
技術士:(建設部門・環境部門)
公園管理運営士 
著書:『園長さんのガーデンライフ』
監修:『世界一うつくしい植物園』
 (著者:木谷美咲)
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