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長良川発電所

 明治43年(1910)という年号は、鶴舞公園が開園して「第10回関西府県連合共進会」が開催された年として私の頭に入っている。「長良川発電所」は同年3月15日に運転を開始したという。共進会が翌日の3月16日から6月13日までの会期であることと符合する。
 共進会というビッグイベントでは、そのために鶴舞公園まで市電が引かれたというし、会場は不夜城のごとくイルミネーションで飾られたという。これに合わせて新たな電源開発を必要としたのであろう。発電所の出力は4200キロワット、木曽川での発電所建設に先駆けての事業であった。

長良川発電所G

 長良川発電所の建設を最初に計画したのは、旧岩村藩の士族である。琵琶湖疏水を利用した蹴上発電所(京都)を見学して触発されたという。流域の各地を調査した結果、武儀郡洲原の立花の地点が最も有利だと考えた。母野辺りから取水して、約4.5km下流に送る「水路式発電」である。
 当初は名古屋に送電していたが、現在は美濃市や郡上市の電力を賄っている。建設当時の煉瓦造りの建物や門柱が、今もそのまま活用されている。構内にドイツの「フォイト製・前口フランシス水車」や、「シーメンス製・発電機」が保存・展示されている。

長良川発電所マップ

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ブログを始めるに当って

 私ども「中部復建」は、戦後から一貫して土木施設の計画設計に携わってきました。地域の皆さんに、より身近に土木を感じて頂きたく先人が残してくれた土木遺産等を訪ね歩き≪中部の『土木文化』見てある記≫として、皆さんに紹介していきたいと思い、このブログを発信する事としました。  

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建設・補償コンサルタント

プロフィール

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Author:FC2USER480348EQK
森 田 高 尚
昭和21年6月 半田市生まれ
平成12年 東山植物園長
平成17年 名古屋市緑地部長
平成19年 中電ブルーボネット園長
平成24年 中部復建技術顧問
技術士:(建設部門・環境部門)
公園管理運営士 
著書:『園長さんのガーデンライフ』
監修:『世界一うつくしい植物園』
 (著者:木谷美咲)
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