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ナガバノイシモチソウ保護地

 豊明市沓掛町に、愛知県指定の天然記念物「ナガバノイシモチソウ」の自生地がある。この植物は湿地に生育するモウセンゴケ科の一年草で、ハエやチョウなどを捕食する食虫植物である。高さ10~20cmの小さな植物で、5月に発芽し夏に赤い花を咲かせる。白い花の種類は関東や九州に分布するが、赤花のタイプは愛知県(豊明と豊橋)でしか確認されていない。

豊明3

 この湿地は、勅使池から境川へ流れる谷部の中間地点にある。南東に傾斜した斜面の砂礫層からしみ出した貧栄養の湧き水が、このような湿地の植生を生み出したのである。近年の周辺部の開発により水脈が途絶えたので、人為的に水の補給をしている。

 初めて公的に発表されたのは大正時代のことである。その後の活動の結果、現在では約240㎡ほどの周囲をフェンスで囲い、湿地内には木製デッキを巡らして保存に努めている。毎年8月・9月の数日間、一般公開されている。

豊明1

 最近の報道(3月12日中日新聞夕刊)では、この種類が新種であることが確認されたという。日本産だけでなく、東南アジアに自生する種類とも比較した結果、新しい種であると断定された。今月16日に千葉県で開催される日本植物分類学会で発表されるとのことである。

豊明マップ




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 私ども「中部復建」は、戦後から一貫して土木施設の計画設計に携わってきました。地域の皆さんに、より身近に土木を感じて頂きたく先人が残してくれた土木遺産等を訪ね歩き≪中部の『土木文化』見てある記≫として、皆さんに紹介していきたいと思い、このブログを発信する事としました。  

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プロフィール

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Author:FC2USER480348EQK
森 田 高 尚
昭和21年6月 半田市生まれ
平成12年 東山植物園長
平成17年 名古屋市緑地部長
平成19年 中電ブルーボネット園長
平成24年 中部復建技術顧問
技術士:(建設部門・環境部門)
公園管理運営士 
著書:『園長さんのガーデンライフ』
監修:『世界一うつくしい植物園』
 (著者:木谷美咲)
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