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安倍川橋

 丸子宿と現在の静岡市に当たる府中宿の間には、安倍川が横たわっている。明治になるまで、この川には橋が架けられていなかった。人足による川越が廃止されて渡し舟に代わったのは、明治4年 (1871) のことである。難儀する旅人を救おうと、明治7年に初めて橋が整備された。長さ280間 (約510m)、幅2間 (3.6m) の木橋で、「安水(あんすい)橋」と名付けられた。
 この橋が老朽化したため、架け替えが行なわれたのは明治36年のことである。今度も木橋であるが、桁は木鉄混合で 「ポニー・クィーンポスト・トラス」 という形式である。橋脚は、丸太を4本一組にした強靭な橋梁であった。

安倍川橋マップ

 現在の橋は、大正12年(1923)に架け替えられたものである。「ボーストリング・トラス」 という形式の鉄橋で、弓と弦のような形が14個連なっている。当時鉄鋼は輸入に頼っていて、鋼材には 「DORMAN LONG Co」 と英国鉄鋼メーカーの名が刻まれている。
 西側からは富士山が間近に見え、絵のような景色になっている。東側の橋のたもとには、静岡名物 「安倍川もち」 の老舗があった。この橋は、平成17年に土木学会選奨の土木遺産に選定された。

安倍川橋D

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ブログを始めるに当って

 私ども「中部復建」は、戦後から一貫して土木施設の計画設計に携わってきました。地域の皆さんに、より身近に土木を感じて頂きたく先人が残してくれた土木遺産等を訪ね歩き≪中部の『土木文化』見てある記≫として、皆さんに紹介していきたいと思い、このブログを発信する事としました。  

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建設・補償コンサルタント

プロフィール

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Author:FC2USER480348EQK
森 田 高 尚
昭和21年6月 半田市生まれ
平成12年 東山植物園長
平成17年 名古屋市緑地部長
平成19年 中電ブルーボネット園長
平成24年 中部復建技術顧問
技術士:(建設部門・環境部門)
公園管理運営士 
著書:『園長さんのガーデンライフ』
監修:『世界一うつくしい植物園』
 (著者:木谷美咲)
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