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根尾谷の淡墨桜

 大垣から樽見鉄道に乗り、終点の樽見までは約1時間の電車旅である。前半は平坦な田園地帯、まだ少し花を残したソメイヨシノや、新葉を開いたばかりの柿の果樹園が眼に入る。途中に、大きなスーパーマーケット 「モレラ岐阜」 の駅や、「織部の里もとす」 近くの織部駅などがある。
 残り半分は、美しい水の流れる根尾川渓流と交差しながらの山地である。西国三十三霊場として有名な谷汲山華厳寺の最寄り駅や濃尾大地震の折にできた根尾谷断層観察館近くの駅もある。2両編成の列車には、ハイキング姿の乗客が満席状態である。多くは、淡墨桜が目的なのであろう。

淡墨桜1

 淡墨桜は、植物的には彼岸桜の一種 「エドヒガン」 である。しかし、満開の時には薄ピンクだった花びらが、散り初め時になると 「淡墨(うすずみ)」 のような色になる独特の性質をもっている。樹齢1500年ともいわれる老木で、樹高約17m、枝張りは東西・南北ともに20mを越えている。それよりなにより、根元の幹の太さに感動する。背後のお堂近くには、二世の桜も大きく育っている。
 過去には、伊勢湾台風時の枝折れなど、枯死するかと心配されるほどの危機を何度も経験した。しかし、地元民などの熱意により、若木の根接ぎや空洞の外科手術、根元まわりを踏まれないための柵設置などの保護策を施した結果、現在はずいぶんと元気を取り戻している。大正11年に、国の天然記念物に指定された。

≪上の写真は今年4月10日に撮影 下左は5年前の満開時、下右は10年前の夏に撮った写真≫          
淡墨桜マップ
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 私ども「中部復建」は、戦後から一貫して土木施設の計画設計に携わってきました。地域の皆さんに、より身近に土木を感じて頂きたく先人が残してくれた土木遺産等を訪ね歩き≪中部の『土木文化』見てある記≫として、皆さんに紹介していきたいと思い、このブログを発信する事としました。  

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プロフィール

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Author:FC2USER480348EQK
森 田 高 尚
昭和21年6月 半田市生まれ
平成12年 東山植物園長
平成17年 名古屋市緑地部長
平成19年 中電ブルーボネット園長
平成24年 中部復建技術顧問
技術士:(建設部門・環境部門)
公園管理運営士 
著書:『園長さんのガーデンライフ』
監修:『世界一うつくしい植物園』
 (著者:木谷美咲)
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