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東山植物園の窯跡

 東山植物園大温室の東を左に折れると、それまでの洋風庭園が一変して和風の庭になる。まず也有園、奥池、その畔に 「合掌造りの家」 があり、その奥は 「日本庭園」 と呼ばれている。この辺りから谷間がだんだん狭くなってくる。順に沼・渓流・池・滝へと登っていき、山間部ならどこにでも見られるような自然風景が演出されている。
 その最上流の 「滝」 の隣に杉皮葺きの小屋が建っていて、その中に古い 「登り窯」 (穴釜) が横たわっている。これは、この庭園が整備された昭和47年に発見されたものである。

東山窯跡X DSC_0052

 鎌倉時代に築かれたというこの窯には、東山古窯跡群 H-101号窯 という名が付けられた。窯の周辺からは、皿や壷などの陶器 (須恵器など) が大量に出土して、今も大切に保管されている。焼き物を作るには、良質な粘土と燃料となる薪、そして水が必要であり、この地はそれを充分に満たしていたのである。

東山窯跡Y DSC_0054

 東山公園一帯は、猿投山山麓に広がる 「猿投山古窯群」 に連なっていて、多くの古窯が発掘されている。この地域で発生した窯業は、さらに良質な粘土を求めて、北は瀬戸へ、南は常滑へと発展していくのである。この遺跡で貴重なことは、窯の天井部分がわずかではあるが残っていたことである。写真で下方が焚き口、上方が煙出し口で、煙出し口近くに天井を見ることができる。

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 私ども「中部復建」は、戦後から一貫して土木施設の計画設計に携わってきました。地域の皆さんに、より身近に土木を感じて頂きたく先人が残してくれた土木遺産等を訪ね歩き≪中部の『土木文化』見てある記≫として、皆さんに紹介していきたいと思い、このブログを発信する事としました。  

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プロフィール

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Author:FC2USER480348EQK
森 田 高 尚
昭和21年6月 半田市生まれ
平成12年 東山植物園長
平成17年 名古屋市緑地部長
平成19年 中電ブルーボネット園長
平成24年 中部復建技術顧問
技術士:(建設部門・環境部門)
公園管理運営士 
著書:『園長さんのガーデンライフ』
監修:『世界一うつくしい植物園』
 (著者:木谷美咲)
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