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丸山ダムの「のぞみ橋」

 丸山ダムの手前に、今まで見たことの無いような奇妙な形の橋が架かっている。従来型の吊床版橋と違って、下にアーチ構造があるという不思議な形式を採っているのである。これは、PC橋としては不可能とされてきた長スパン (約100m) の橋を実現するために工夫されたもので、橋梁界としては非常に名誉な「田中賞」を平成15年に受賞している。
 田中賞とは、数々の名橋を生み出して橋梁界の育ての親とも呼ばれてきた故田中豊博士を記念して、昭和41年に創設されたものである。のぞみ橋はその高い技術力だけでなく、ユニーク性やデザイン性、さらにはリサイクル可能な経済性も評価されての受賞となった。

のぞみ橋G

 「のぞみ橋」 という名の付いているところをみると、この橋から丸山ダムを望むという意味であろうか。実際に橋を渡っていると、迫力のある丸山ダムがすぐ目の前に見える。のぞみ橋の隣にもう1本、古い吊り橋が架かっているが、この橋からはさらにダムは近い。
 老朽化のうえ幅員も狭いので、車両の通行は禁止されていて、歩行者だけが渡ることができる。主柱に建設の年月を表したプレートが貼り付けてある。昭和22年8月架設と記してあることから、丸山ダム建設 (昭和26年) のために利用されたものと思われる。反対の柱に橋名版も貼り付けてあったが、傷みが激しくて文字を読み取ることはできなかった。

のぞみ橋H

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 私ども「中部復建」は、戦後から一貫して土木施設の計画設計に携わってきました。地域の皆さんに、より身近に土木を感じて頂きたく先人が残してくれた土木遺産等を訪ね歩き≪中部の『土木文化』見てある記≫として、皆さんに紹介していきたいと思い、このブログを発信する事としました。  

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Author:FC2USER480348EQK
森 田 高 尚
昭和21年6月 半田市生まれ
平成12年 東山植物園長
平成17年 名古屋市緑地部長
平成19年 中電ブルーボネット園長
平成24年 中部復建技術顧問
技術士:(建設部門・環境部門)
公園管理運営士 
著書:『園長さんのガーデンライフ』
監修:『世界一うつくしい植物園』
 (著者:木谷美咲)
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