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鉢地坂隧道と清田の大樟

 国道1号を右に折れ、県道473号を南に向かうと鉢地坂隧道 (はつちざかずいどう) に至る。この道路はかつて、岡崎・本宿と蒲郡とを結ぶ唯一の道であったが、鉢地坂が急峻で通行は難儀であった。昭和8年 (1933) 地元住民の嘆願を受けてトンネルが完成する。延長468m、幅員4.7mで観光バスも行き来したという。
 トンネルを抜けてしばらく行くと、ミカン畑の上空に大きな樹木の頭が見える。車を途中で降り、細い農道を訪ね歩いていくと、驚くほど巨大なクスノキに出会う。「清田の大樟(せいだのおおくす)」という。目通り周り14.3m、高さは22m、樹齢は1000年を越える。中部地方随一の大木といわれ、国の天然記念物に指定されている。

清田の大樟マップ

 明治初期までこの清田一帯は、クスノキの大木が数多く生い茂っていた。しかし、農地開発や宅地造成によりほとんどが伐採され、この1本だけが残されたのだという。一時期樹勢の衰えたこともあったが、樹木医の指導により保全に努めた結果、現在は青々と繁るようになった。
 クスノキには大木・老木が多いが、それには特別な理由がある。クスノキの枝は粘りがなく、少しの強風でパキパキと折れてしまう。そのため大風になる事前に、剪定された樹のように風当たりが少なくなり、倒木を免れるのだという。

清田の大樟G


季節通信24きれいな実
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 私ども「中部復建」は、戦後から一貫して土木施設の計画設計に携わってきました。地域の皆さんに、より身近に土木を感じて頂きたく先人が残してくれた土木遺産等を訪ね歩き≪中部の『土木文化』見てある記≫として、皆さんに紹介していきたいと思い、このブログを発信する事としました。  

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建設・補償コンサルタント

プロフィール

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Author:FC2USER480348EQK
森 田 高 尚
昭和21年6月 半田市生まれ
平成12年 東山植物園長
平成17年 名古屋市緑地部長
平成19年 中電ブルーボネット園長
平成24年 中部復建技術顧問
技術士:(建設部門・環境部門)
公園管理運営士 
著書:『園長さんのガーデンライフ』
監修:『世界一うつくしい植物園』
 (著者:木谷美咲)
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