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小山発電所

 航空写真を見て、驚いてしまった。蛇行する大井川が、もう少しでくっついてしまいそうである。ロシアなどの平原で蛇行する川が短絡すると、残された部分が「三日月湖」になるという話は聞くし、飛行機の窓から見たことはある。しかし、このような山岳地帯でも起るのであろうか。
 この地形と大井川の水位の差を利用して、日英水電株式会社が明治43年(1910)に発電所をつくった。「小山発電所」である。蛇行する川の最も狭いところは「牛の頸」と呼ばれている。この上流側と下流側では、25mの水位差がある。上流側に堰堤を設け、そこからトンネルで下流側の発電所まで流すのである。

小山発電所マップ

 出力は1400kw、中部5県では初の発電所、もちろん大井川水系でも初めてである。電気は島田、相良、さらに浜松方面まで送られた。この地域では、大正2年頃から電灯が使用されたという。昭和11年(1936)になって、10km下流に6万8200kwの「大井川発電所」が完成し、その役割を終えたのである。
 下左の写真は発電所跡、今はコンクリートの基礎が残るのみである。傍らに現在の管理者・中部電力の説明板が立っていた。下右は、発電所跡から土手を登ったところにあるトンネル。上流からここまで水を流し、発電機まで水を落としたのであろう。

小山発電所G


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 私ども「中部復建」は、戦後から一貫して土木施設の計画設計に携わってきました。地域の皆さんに、より身近に土木を感じて頂きたく先人が残してくれた土木遺産等を訪ね歩き≪中部の『土木文化』見てある記≫として、皆さんに紹介していきたいと思い、このブログを発信する事としました。  

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プロフィール

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Author:FC2USER480348EQK
森 田 高 尚
昭和21年6月 半田市生まれ
平成12年 東山植物園長
平成17年 名古屋市緑地部長
平成19年 中電ブルーボネット園長
平成24年 中部復建技術顧問
技術士:(建設部門・環境部門)
公園管理運営士 
著書:『園長さんのガーデンライフ』
監修:『世界一うつくしい植物園』
 (著者:木谷美咲)
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