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矢作ダム(奥矢作湖)

 もう一度、奥矢作揚水発電所の仕組みを見てもらおう(2021・10・12「揚水発電所」参照)。上池である「黒田貯水池」と下池の「矢作貯水池(奥矢作湖)」との落差は560mにも及ぶ。しかし、その直線距離はわずかに6kmである。1km当たり約100mの下降という急勾配である。
 この地形に目を付けて、揚水発電所を企図した眼力に敬意を表したい。黒田ダムの完成は、昭和8年(1933)であるが、それを2倍に増強して「揚水発電所」にしたのは昭和55年(1980)である。黒田発電所の出力は3100kwだったが、現在は第一・第二発電所により約11000kwが発電される。

矢作ダムマップ最終

 矢作川は、三河地方にあっては豊川と並ぶ大河川である。茶臼山高原を水源とし、愛知・岐阜の県境を流れる。豊田・岡崎を経て西尾・碧南の境を三河湾に注ぐ。延長117km、流域面積1830k㎡の一級河川である。古くから下流域に、洪水という災害と利水という恩恵をもたらしてきた。
 矢作ダムは、昭和45年(1970)に完成した。高さ100m、長さ321mのアーチ式コンクリートダムである。洪水調整・不特定利水・かんがい・上水道・工業用水道・発電と6つの用途に使われる。周辺は景観が良く、「愛知高原国定公園」の一角を占めている。今年、完成50周年の節目を迎えた。

矢作ダムG

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 私ども「中部復建」は、戦後から一貫して土木施設の計画設計に携わってきました。地域の皆さんに、より身近に土木を感じて頂きたく先人が残してくれた土木遺産等を訪ね歩き≪中部の『土木文化』見てある記≫として、皆さんに紹介していきたいと思い、このブログを発信する事としました。  

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建設・補償コンサルタント

プロフィール

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Author:FC2USER480348EQK
森 田 高 尚
昭和21年6月 半田市生まれ
平成12年 東山植物園長
平成17年 名古屋市緑地部長
平成19年 中電ブルーボネット園長
平成24年 中部復建技術顧問
技術士:(建設部門・環境部門)
公園管理運営士 
著書:『園長さんのガーデンライフ』
監修:『世界一うつくしい植物園』
 (著者:木谷美咲)
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