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七宗ダムと「田島の火道角れき岩」

 名倉ダムのさらなる上流に「七宗ダム」がある。飛騨川を堰き止めてはいるが、高さは10.6メートルしかない。ダムと言うより堰に近い構造物である。発電専用で、2km下流の七宗発電所まで水路で水を送っている。
 有効落差は15.5mと小さいので水量の割に発電量は少なく、最大で6200KWにすぎない。建設年次は、七宗発電所の運用開始が大正14年(1925)とあるので、同時期の完成と思われる。鉄製の可動堰2門が青色に塗られていて、遠くからでもよく目立つ。

七宗ダムG

 上流側は水が溜まっているので見えないが、下流側は岩盤が姿を現している。この岩は「田島の火道角れき岩」という。火山噴火により堆積した「火山角れき岩」とは異なる。地下のマグマが上昇する際に、その通路(火道)の周囲の岩石を一緒に巻き込んで噴出したものである。
 噴火は、白亜紀末期(約6500万年前)に起こった。岩に含まれる「れき」の大きさは、直径2mを超す大きなものから、数ミリ以下の細かいものまである。大きいものは濃飛流紋岩で、垂直に引き延ばされたような形をしている。小さいものはチャートなどからなり、角ばったものが多い。

季節通信194ヒマラヤスギ


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 私ども「中部復建」は、戦後から一貫して土木施設の計画設計に携わってきました。地域の皆さんに、より身近に土木を感じて頂きたく先人が残してくれた土木遺産等を訪ね歩き≪中部の『土木文化』見てある記≫として、皆さんに紹介していきたいと思い、このブログを発信する事としました。  

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プロフィール

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Author:FC2USER480348EQK
森 田 高 尚
昭和21年6月 半田市生まれ
平成12年 東山植物園長
平成17年 名古屋市緑地部長
平成19年 中電ブルーボネット園長
平成24年 中部復建技術顧問
技術士:(建設部門・環境部門)
公園管理運営士 
著書:『園長さんのガーデンライフ』
監修:『世界一うつくしい植物園』
 (著者:木谷美咲)
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