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寒狭川頭首工と寒狭橋

 寒狭川は、段戸山(1152m)を水源として南に流れ、長篠で宇連川と合流したのち豊川(とよがわ)と名を変え、豊橋に至って三河湾に注ぐ。合流地点の少し上流に「寒狭川頭首工」がある。ここで堰止めた水は、5.3kmの導水路を通って大野頭首工の上流に送られる。
 寒狭川の方が流域面積が広いので、豊富な雨水を宇連川に移して有効利用する仕組みになっている。寒狭川頭首工の完成は比較的新しく、平成9年である。型式はフィックスタイプ全可動堰で、ローラーゲートを2門もつ。毎秒1.3トンの水を取水することができる。

寒狭川マップ

 「寒狭橋」は、鳳来寺道と対岸とを結ぶ橋である。プラットトラスという型式で、鉛直材は圧縮で斜材は引張材として働く(ハウトラスはその反対)。ちなみに鳳来寺道とは、東海道を御油あたりで枝分かれして、鳳来寺を目指す道である。そのまま北上して足助・香嵐渓に至る。
 寒狭橋の建設年次は、県と市とのデータに齟齬がある。愛知県の台帳によれば昭和5年(1930)となっているが、新城市の資料では昭和39年(1964)と記されている。検証のしようがないが、本ブログの過去の掲載例(約120件)と比較すると、昭和5年ごろの橋と類似していると思う。

寒狭川G


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 私ども「中部復建」は、戦後から一貫して土木施設の計画設計に携わってきました。地域の皆さんに、より身近に土木を感じて頂きたく先人が残してくれた土木遺産等を訪ね歩き≪中部の『土木文化』見てある記≫として、皆さんに紹介していきたいと思い、このブログを発信する事としました。  

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プロフィール

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Author:FC2USER480348EQK
森 田 高 尚
昭和21年6月 半田市生まれ
平成12年 東山植物園長
平成17年 名古屋市緑地部長
平成19年 中電ブルーボネット園長
平成24年 中部復建技術顧問
技術士:(建設部門・環境部門)
公園管理運営士 
著書:『園長さんのガーデンライフ』
監修:『世界一うつくしい植物園』
 (著者:木谷美咲)
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