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うだつの上がる町 美濃

 「うだつ」とは延焼防止のための防火壁のことだが、「うだつが上がらない」という慣用句としても知られている。宿場町などの大きな商家などに目立つので、このブログでも何回か取り上げてきた。有松宿(2015・5・21)、中津川宿(2016・12・31)、太田宿(2017・1・23)、鵜沼宿(2021・12・3)を参照願いたい。
 美濃の宿場町は「うだつの上がる町並み」を標榜している。小倉山城の麓に二筋の古い町並みがあり、うだつを持つ商家が軒を並べている。飛騨高山に城を築き、街並みも造り上げた戦国時代の武将・金森氏が、美濃にもお城と町並みをつくり上げたのである。

2美濃G

 中山道加納宿(岐阜市)から、郡上八幡へ向かう道を「飛騨街道」という。さらに北へ進んで、白山信仰ゆかりの里「石徹白(いとしろ)」へ向かう祈りの道でもある。美濃は陸路だけでなく、舟便の上有知湊(2017・9・23参照)もある、交通の要衝であった。豪商は競ってうだつを上げたのであろう。
 その中で一軒風変わりな建物があった。屋根が「むくり」になっている。神社の屋根は窪んだ「そり」を持つが、「むくり」は逆に膨らみをもつ。造り酒屋の蔵元で、「百春」と記された暖簾が架かっている。酒屋らしい「すぎ玉」、「屋根神様」、「犬矢来」などもあって興味深い建物である。

美濃マップ

季節通信202三つ葉葵


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 私ども「中部復建」は、戦後から一貫して土木施設の計画設計に携わってきました。地域の皆さんに、より身近に土木を感じて頂きたく先人が残してくれた土木遺産等を訪ね歩き≪中部の『土木文化』見てある記≫として、皆さんに紹介していきたいと思い、このブログを発信する事としました。  

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プロフィール

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Author:FC2USER480348EQK
森 田 高 尚
昭和21年6月 半田市生まれ
平成12年 東山植物園長
平成17年 名古屋市緑地部長
平成19年 中電ブルーボネット園長
平成24年 中部復建技術顧問
技術士:(建設部門・環境部門)
公園管理運営士 
著書:『園長さんのガーデンライフ』
監修:『世界一うつくしい植物園』
 (著者:木谷美咲)
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