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町並みに残る「小物たち」

 美濃の町並みの主役は「うだつ」であるが、脇役の「小物」にも面白いものがある。「すぎ玉」は、酒屋のシンボルである。その年の新しいお酒が出来上がると、まだ緑色の「すぎ玉」を軒に吊るす。それが合図となって、新酒を求めて人々が買いに来るという。
 「矢来」というのは、竹などを編んで作った仮の囲いである。「やらい」は、追いやること。「犬矢来」は、軒下の空間に犬などが居つかないように防御したものであろう。腰板に、変わった形の「梯子」が架かっていた。先が「刺股」のようになっている。火事などのときに使うものと思われる。

美濃小物G

 建物沿い、道路脇に水が流れる側溝がある。もちろん排水にも使われるが、常時水も流れているのであろう。生活用水としても使われるが、いざ火事のときに役に立つ。「うだつ」もそうだが、木造建築の立ち並ぶ宿場町にとっては「火事」が最も怖い災いである。「馬つなぎ石」も置いてあった。
 「屋根神様」については、以前から注目している(2017・11・27の「岐阜・河原町」参照)。美濃にも立派なものがたくさんある。現在は高台に町があるので、洪水の危険性は薄いが、かつては川湊近くに商家が集まっていたという。高台に移転したときもそのまま祠を屋根に残したものであろう。

美濃屋根神様G

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ブログを始めるに当って

 私ども「中部復建」は、戦後から一貫して土木施設の計画設計に携わってきました。地域の皆さんに、より身近に土木を感じて頂きたく先人が残してくれた土木遺産等を訪ね歩き≪中部の『土木文化』見てある記≫として、皆さんに紹介していきたいと思い、このブログを発信する事としました。  

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建設・補償コンサルタント

プロフィール

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Author:FC2USER480348EQK
森 田 高 尚
昭和21年6月 半田市生まれ
平成12年 東山植物園長
平成17年 名古屋市緑地部長
平成19年 中電ブルーボネット園長
平成24年 中部復建技術顧問
技術士:(建設部門・環境部門)
公園管理運営士 
著書:『園長さんのガーデンライフ』
監修:『世界一うつくしい植物園』
 (著者:木谷美咲)
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