fc2ブログ

Entries

東山荘

 山崎川は、平和公園の猫ヶ洞池に端を発し、瑞穂運動場の真中を貫いて南に流れている。運動場の1kmほど北には「壇渓」と呼ぶ景勝地があった。山崎川は、御器所台地と八事丘陵の間を流れるが、東岸の八事の方は小高い山地になっていて、この一帯は緑豊かな土地柄であったのだろう。
 運動場と壇渓の中ほどに「東山荘(とうざんそう)」がある。航空写真で見ると、先ほど述べた丘陵の緑が、ここだけに未だに残っているのである。東山荘は、綿布商の伊東信一氏によって造営された別荘である。大正時代初期から10年ほどもかけて、丹念に造られた建築と庭園である。

東山荘マップ

 氏が亡くなった後は遺言により名古屋市に寄付され、公園として一般公開された。戦時中の一時期は市長公舎として使用されたが、現在は開放されている。仰西庵などお茶室2・書院造りの和室3・洋室が2つあり、貸部屋としてお茶会や読書会に使用されている。
 庭園は、山崎川への斜面や自然林を巧みに利用した「池泉回遊式」である。豪壮な滝石組や書院前の石庭があると言うが、この日は見ることができなかった。自然林の中にも、飛び石や石橋などを使った園路があるけれど、手があまり入っていないので荒れた印象である。惜しいことだと思う。

東山荘G

関連記事

コメント

コメントの投稿

コメント

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://chubu-fukken.com/tb.php/991-dbe2cbb2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
▲ページトップ

Appendix

カレンダー

09 | 2023/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

ブログを始めるに当って

 私ども「中部復建」は、戦後から一貫して土木施設の計画設計に携わってきました。地域の皆さんに、より身近に土木を感じて頂きたく先人が残してくれた土木遺産等を訪ね歩き≪中部の『土木文化』見てある記≫として、皆さんに紹介していきたいと思い、このブログを発信する事としました。  

コンパクト月別アーカイブ

最新記事

         

建設・補償コンサルタント

プロフィール

FC2USER480348EQK

Author:FC2USER480348EQK
森 田 高 尚
昭和21年6月 半田市生まれ
平成12年 東山植物園長
平成17年 名古屋市緑地部長
平成19年 中電ブルーボネット園長
平成24年 中部復建技術顧問
技術士:(建設部門・環境部門)
公園管理運営士 
著書:『園長さんのガーデンライフ』
監修:『世界一うつくしい植物園』
 (著者:木谷美咲)
FC2ブログへようこそ!

最新トラックバック

        

検索フォーム

QRコード

QR
▲ページトップ